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「いくらの物件ならローンが組めるのか」と男性が聞くと、営業担当者は「四○○○万円なら」と言ったそうです。 そこで男性は「それなら四○○○万円にしてもらえないでしょうか」と言いました。

営業担当者は無理そうなそぶりをしていましたが、数日後、男性のところに電話がかかってきました。 「手数料や諸経費などをこちらでなんとかするので、四一○○万円で検討してもらえませんか」と言ったそうです。
実質的に一○○○万円以上の値引きです。 これは特別な例ではありません。
似たような話はいくらでもあるのです。 こんなに簡単に値引きをし、住宅販売業者は採算がとれているのでしょうか。
マンション価格に上乗せされる販売業者の粗利は二○%とされています。 それ以上の値引きをすれば赤字です。
にもかかわらず値引きをするのは、あまったマンションをなんとか早く処分したいという思いからでしょう。 臨海地区を中心に五○○〜七○○戸のタワーマンションが続々と完成しましたが、この大量供給は今後も続きます。
○五年には品川区、港区、中央区、江東区などの湾岸エリアを中心に四○件以上の大規模マンションが建ちます。 しかしそれに見合う需要はありません。
あとから詳しくお話ししますが、日本の人口はこれからどんどん減っていくのです。 だから完全な買い手市場です。
マンションを購入する人は当然ながら新築物件から選んでいきます。 少しでも古くなった物件は「型落ち」扱いを受けます。
つまり、○五年に新しいマンションができれば、○四年のマンションはもう古いのです。 購入者は目も向けなくなります。

いわんや○三年の物件を、です。 そうなることがわかっているから住宅販売業者は赤字覚悟で売りまくっているのです。
マンション業者というのは、土地を買い、そこにマンションをつくって売ることをビジネスモデルとしています。 土地の仕込みから販売、回収を自転車操業的に繰り返しています。
構造的に立ち止まることのできない業種なのです。 少子化が進み、マーケットが縮小していくなかで、マンションの需要もどんどん減っていきます。
それでもマンションを作って売り続けなくてはなりません。 さらにこんな理由もあります。
住宅販売業者は売れ残りを多数抱えていると、取引している金融機関から融資を渋られます。 それに建物が完成すると、売れ残った物件の管理費等を業者が負担しなければなりません。
借入金の返済も始まります。


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